メリサンド城でキュレーターを務めるキルステンは、いきなり上司として目の前に現れた彼の姿に唖然とした。アラゴン子爵ロウ・セヴラン。六年前、キルステンの家族を不幸に陥れ、そのうえ助けを […]
トーレスの王女ジゼル・ド・マリーニは不満だった。二百年も前に定められたメリサンド憲章のせいで、どんなに才覚があっても独身である限り、女性が城管理責任者の地位につくことは許されないか […]
“王族以外の女性と結婚した場合、トーレス公は継承権を失う”それが約二百年前、当時のトーレス公が狡猾な商人ソラルと結んだ、悪魔との契約とも呼ばれるシャンパーニュ条約だ。王室番組担当の […]