時は十三世紀。あまりに過酷な運命は、貴族の家に生まれたゆえか。ノルマン人貴族の娘メアリアンは、十二年間過ごした修道院から、スコットランドの兄のもとに連れ戻された。野心家の兄の目的は […]
ノルマン人領主のサー・ニコラスが花嫁候補を城に招いている。リオナはその話にまったく興味を覚えなかったものの、乗り気のおじに連れられ、しかたなくダンキース城を訪れた。ところがサー・ニ […]
あまたの娘を泣かせた貴公子が花嫁に選んだのは、男装の令嬢。 次期領主サー・ジョージは、常に娘たちの憧れで一番の花婿候補だった。もともと目を引く美男子で、身なりにも気をつかい、垢抜け […]
地味で冴えない“壁の花”を、放蕩公爵がもてあそぶ――!「キスをしたのは起こしてくれたお礼だ。魔が差した」 貴婦人の邸で話し相手をしているヘスターは、美しい姉や妹とは違って、舞踏会で […]
初めて会った美貌の許婚は、世にも傲慢不遜な領主だった。 領主サー・ロジェに嫁ぐマイナは、運悪く大嵐に見舞われ、やっとのことで許婚の待つ城に到着した。だが、彼女はずぶ濡れだというのに […]
彼女の靄を引き裂き、最初の光となったのは――13世紀、霧の大地に展開する、容赦なき無慈悲な運命の渦……。 修道院に閉じ込められ、長らく世間と隔絶していたノルマン貴族の娘メアリアン。 […]
秘められた情熱が解き放たれたとき、愛は野火のごとく燃え盛る。「大事な客人が来るから手厚くもてなすように」 強欲な商人である父親の言葉に、ショーナは憤然とした。“手厚くもてなす”とは […]
ベアトリスは嘆きのため息をついた。父が反逆の大罪を犯したせいで、気高き騎士サー・ラヌルフの妻になる夢は絶たれたのだ。悲しみに暮れる彼女のもとに、ある日、知らせが届く。任命先の城でラ […]
マティルドは追いつめられていた。エクルズフォードの領主である父が亡くなったいま、強欲な従兄が城と領地の明け渡しを迫ってきかねない状況なのだ。折しも朗報がマティルドのもとに届いた。名 […]
グレースは両親を亡くし、妹と二人暮らし。今は没落した名家でつましい暮らしを強いられている。地元の名士、サー・ドナルドに求婚されたものの、傲慢なうぬぼれ屋で、どうしても好きになれない […]